Home 背景

背景

背景

 

SCCmecに関する最初の報告

N315株のmecDNA(メチシリン耐性遺伝子mecAの周辺の領域 でMSSA には存在しない外来性DNA領域)がクローニングされ、全塩基配列が決定されました。その結果、N315株のmecDNAは以下に述べる非常に特徴的な構造を持っていることが明らかになりました(Ito et al. 1999)。

(1)    classA mec遺伝子複合体を持つ。

(2)    部位特異的組み換え酵素遺伝子cassette chromosome recombinase遺伝子A,B(ccrA, B)を持つ。

(3)    両端に特徴的な塩基配列(direct repeats/inverted repeats)を持つ。

(4)    orfXの3’末端に挿入されている。

そして、この領域はccrA,Bの働きにより部位特異的に脱落し、挿入される動く遺伝因子であることが確認され、ブドウ球菌属に特有に見出された新しい染色体カセットstaphylococcal cassette chromosome (SCC)で、メチシリン耐性遺伝子(mecA)を運ぶものとしてSCCmecと命名されました(Katayama et al. 2000)。

これまでに塩基配列が決定されたSCCmec

その後、多くの菌株の持つ種々のSCCmecが次々と報告されてきました。これまでに以下の株の持つSCCmecの塩基配列が決定されています。

SCCmecの塩基配列が報告されたもの

・N315 (1981年 日本分離株) Ito et al. 1999
・NCTC10442 (1961年 イギリス分離株) Ito et al. 2001
・85/2082 (1985年 ニュージーランド分離株) Ito et al. 2001
・HDE288 (1996年 ポルトガル分離株) Oliveira et al. 2001
・CA05 (1999年 米国分離株) Ma et al. 2002
・8/6-3P (1996年 米国分離株) Ma et al. 2002
・WIS (1995年 オーストラリア分離株) Ito et. al. 2004
・AR13.1/330.2 (1999年 アイルランド分離株) Shore et al. 2005
・AR43/3330.1 (1999年 アイルランド分離株) Shore et al. 2005
・M03-68 (韓国分離株) Kwon et al. 2005
・JCSC3063 (2001年 日本分離株) Hisata et al. 2005
・JCG H17 (1997-2002年 台湾分離株) Boyle-Vavra  et al. 2005
・ZH47 (2003年 スイス分離株) Heusser R et al. 2007
・P1 (2000-2006年 台湾分離株) Takano et al. 2008

 

■  全ゲノム配列決定に伴い、SCCmecの塩基配列が明らかになったもの

・N315 (1981年 日本分離株) Kuroda et al. 2001
・Mu50 (1996年 日本分離株) Kuroda et al. 2001
・MW2 (1998年 米国分離株) Baba et al. 2002
・MRSA252 (1997年 英国分離株) Holden et al. 2004
・COL (1960年代前半、英国分離株) Gill et al. 2005
・RP62A (1979-1980年 米国分離株) Gill et al. 2005
・FPR3757 (米国分離株) Diep et al. 2006
・JH1 (米国分離株) Mwangi MM et al. 2007
・JH9 (米国分離株) Mwangi MM et al. 2007